千洋君、僕 本当はものすごく欲ばりなんだ
半分だけとか 中途半端ならいらない 全部じゃないといらない
君の神経も意識も全部こっちを向いてないと嫌だ 君が欲しい
<あらすじ>
祐仁と千洋は、写真家と写真集の担当編集者として出会った。
世界を飛び回り「道」を撮り続ける彷徨の写真家・祐仁に千洋は魅かれ、駆け引きのようなやりとりが続いたある日、祐仁が千洋をベッドに誘った。
応じた千洋は祐仁を抱き、その日から――恋に落ちた。
彼に話しかける人、触れる人、仕事にさえ嫉妬する。
激しい思いをセックスでしか表現できず、言うことといえばかつて面倒だと思った「女」みたいなセリフばかり…。
そんな自分に千洋が愕然とする中、祐仁はカメラを持って飛び立ってしまい…。
おすすめされた本です。
「ねっとりとした恋愛もの」と聞いて買ってみましたが
確かにねっとりと言うかジメジメと言うか・・・!
言うなれば、ワガママな女が二人いるみたいな。
女×女みたいな。
嫉妬vs嫉妬みたいな。
独占欲の競い合いみたいな・・・って、もういいか。
写真家の祐仁と、担当編集者の千洋は
出会ってすぐ体の関係を持つようになります。
そこから、千洋の独占欲が大暴れ。
いつも、ふらっと外国に写真を撮りに行ってしまう危なっかしい祐仁に
千洋は不安でヤキモチばかり焼いてしまいます。
この作品は、とにかく千洋の情熱が凄い。
すっごく好きで好きで、いつも一緒に居たいという気持ちが
怖いくらいに伝わってくるのです。
それを全てセックスにぶつけて
「セックスの間は祐仁さんは俺だけのもの!」と思っても
セックスで相手を束縛できるはずもなく
いつも後悔ばかりしてしまうのです。
しかも、
「俺と仕事とどっちが大事なの!?」なんて
ありがちなNGワードを言っちゃうんですね。
今までは、女に「私と仕事どっちが大事なの?」って聞かれて
ウンザリしていた側だったのに。
一方の祐仁は
「ひれ伏してでもそばにいたい」と思った元彼から捨てられ
食べたり、寝たり、息したりするのが全部意味が無くなって
生きていけないと思ったという過去があったのです。
なんか、この祐仁の言葉のひとつひとつに
胸がきゅーーっとなりました。
失恋した時の絶望感がすごく出ているなーと。
でも、女の子なら分かるけど、男がこれを思っちゃうって凄いなーと。
祐仁はもっとドライな人なのかと思ってた。
ヒゲだし。(ヒゲは関係ない)
好きなのに、信じられなくて、上手く行かなくて
いい歳した男たちがジタバタもがいている様子が
見ていてとっても、もどかしかったのですが
結局、最終的には祐仁と千洋の爆発するような想いが
同じくらいの大きさでぶつかり合い
うまく収まったのかなーと思います。
こんなに、怖いぐらい相手を想う事が出来るっていうのはすごい。
大抵、どちらかの愛の重さに押しつぶされて
ダメになってしまったりしますからね。
そして祐仁の元彼もまた、愛の重さから逃げてしまった側なのに
自分のオモチャを盗られて独占欲丸出しで叫んでいる
子供のように思えました。
今更出てきて邪魔ばっかりするなよオッサン・・・
と思ったww
こんなに恋愛中心で生きている男たちが居る訳がない
と思いつつも
男たちの愛の激しさに、圧倒された作品でした。
エロ
★★★
萌えた
★★★
切ない
★★★★
笑える
★
買って良かった
★★★★
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