その目を覗きこんでみたら 今どんな想いがするか
心が引きずられるのはわかっている そして
それよりもずっと この感情に「名前」がついてしまうのが 怖かった
<あらすじ>
星グループの若き総帥、星義彦。猿喰山にある星家の屋敷に入り込んできた庭師・鷺坂貢。義彦は鷺坂の美貌と自由な心に次第に魅了されて行くが、鷺坂の意図は別にあって…? 愛を告げる義彦に応えた鷺坂の思惑、そして真実とは!? 最後まで予測不能な純愛物語、ここに開幕! 描き下ろしも同時収録!
かなり買うの悩みました。
絵がかなーーーーーり苦手だったもんで。
表紙の絵に関しても、
頭デカすぎるだろ・・・とか
尻が無さすぎるだろ・・・とか
色んな所が気になってしょうがなかったんです。
でも、かなり話題になっている作品だったし
チャレンジして買ってみましたが
結論から言うと、けっこう面白かったです。
これは映画化できますよ!
攻は誰でもいいが、受のキャストは成宮でひとつヨロシク。
(成宮だとリアルすぎるという意見はスルーです)
もし違う人が絵を描いててくれたら
私の中では神評価だったかもしれないですが・・・
どーもベッドに押し倒すシーンの色気が無さ過ぎるとか
見所の一つである
札束ビンタのシーンがギャグにしか見えないとか
ちょっと物語に入り込みにくかったかなw
庭師繋がりで麻々原さんとか日高さんが作画だったら
かなりハマっていたんじゃないかなーとか勝手に考えました。
今からでもリメイクして出してくれたら私は買うぞ。
以下、軽くネタバレ注意。
(つってもこの本の1ページ目がすでにネタバレだと思う訳だが・・・)
大企業グループの社長・星と
星の豪邸に庭師として潜り込んだ鷺坂。
冷徹な仕事人間である星の心を、奔放な庭師が溶かしていって
だんだん心を開かせるという、
途中まではありがちなストーリーなのですが
すっかり庭師に心を持っていかれた頃
星はその男に騙されていたという事に気づく事になります。
しかし、騙されていると気づいていても愛してしまう星と
星の孤独を感じ、愛し始めてしまう庭師の
矛盾だらけの愛の囁きあいが見ていてとてもせつないんです。
「出て行け」と言ったのに「行くな」と言ったり。
「人を信じてください」と言ったのに「信じるな」と言ったり。
好きになってはいけない人を愛してしまった
星と庭師の仲は引き裂かれる事となり
最後のセックスで、人生で初めての気持ちよさを味わった庭師と
あんなに冷たい人間だったのに
「もっと恋人らしい事をしてやりたかった」と言う星には
何ともやるせない気分にさせられました。せつない。
そして、
「生まれ変わったら苦痛を感じないようなロボットになりたい」
「小鳥に生まれ変わったら・・・機械の体で探しに来てくれますか?」
が最後のシーンと繋がった瞬間
じわーーっと涙が溢れそうになりました。
小鳥と機械の体ではなかったけど
それぞれ違う人間に生まれ変わって
これから全く違う未来を切り開いて行けるんだろうなぁと
幸せな未来を予感させるラストです。
「うちに帰ろう」と言った瞬間
庭師が涙をポロポロ溢すシーンなんて秀逸ですね。
この作品はラスト4Pの為だけにあると言っても過言ではないです。
あ、4Pって言っても4人プレイじゃないですよ。
4ページって事ですよ。(分かっとるわ)
途中、ちょっと難解で分かりづらい所もあったりしましたが
(またしても読解力の無さを露呈)
本物の鷺坂は、結局何だったの?w
最終的にいい人なんだか悪い人なんだかイマイチ・・・
萌えとかエロとかとは遠い所にある作品のような気がしますが
間違いなく読み応えはあります。
絵が苦手だと思っている方も
物語に引き込まれるうちに、きっと問題なく感じると思いますので
ズシンと重いBLを読みたいという方にオススメです!
エロ
★★★
萌えた
★★★
切ない
★★★★★
笑える
★
買って良かった
★★★