大学時代から、誰からも好かれて人気者だった村上を
ずーっと一途に好きだった宇野。
しかし、数年後
村上が借金を重ねて落ちぶれている事を知り
自分の気持ちに決着をつけるため彼を探し始めます。

あーつらい！
これ読んでる間ずっとつらかった！
良くも悪くも木原先生らしい作品というか
心にずーんとくるストーリーですよね。
最後まで読んだ後、
読み応えあって面白かった！！！と思うと同時に
虚しさなのか幸せなのかよく分からなくなって
複雑な気持ちになりましたｗ


このお話、かなり終盤まで宇野の片想いが続くんです。
落ちぶれて風呂も入らず汚くて臭い村上に再会して
ずるずると一緒に暮らす事になり
恋心とか、恐怖感とか、色んなものがごちゃまぜになった
複雑な心境をすごく丁寧に描いていると思う。
繊細な宇野の心がこっちまで伝わってくるようで
すごく感情移入しやすい作品でした。

２人はほとんど会話をしないので
村上が何を考えているか分からないんですけど
その分、宇野の苦しみがたっぷりと描かれていて
すごくつらいんですよ･･･

家の金を毎日一万円ずつ盗まれていた時。
村上の格好が小奇麗になってきて
無くなっていた金が少しずつ返ってきた時。
何も問い詰めずに黙って家に置いてやる宇野の
健気さに胸が苦しくなります。
昔の面影が見えるたびにやっぱりカッコイイってドキドキして
でも期待すると裏切られるから自分の気持ちを隠して
「これ以上君のことを好きになりたくない」って泣く
宇野の涙はつらかった。


すっかり元の姿に戻りつつあった村上が
誕生日のお祝いをしてくれるシーンで
すごく楽しそうにしてるのが悲しくてねー･･･
そこから待望の初エッチシーンがあるのに
ほぼレイプなのもまたつらいですよ･･･
「お願い･･･入れないで」って必死に懇願してるのに
無理矢理やられちゃうの･･･つらい･･･

実際のところ、村上は
宇野のことを好きになったのかもハッキリせず
ちゃんとラブラブで終わった訳ではないので
なんとなく後味の悪いラストなんですよね。
巻末では後日談の小説も読めるので
少し救われる所はあるのですが
もうちょっと甘い感じの所も見たかったかも。
作品としては面白いし私は好きですけどね！！


あと、描き下ろし漫画では
ずっとクズ男のように描かれている村上が
大学生の頃から、人に拒否されるのを怖がっている
ちょっと臆病な普通の青年だったという事も分かり
ますますつらくなりました･･･
（だめだ、今日つらいしか言ってない）
両親とか働いていた会社が悪かっただけなのにね･･･

木原作品の重苦しさと
糸井のぞさんの絵が非常にマッチした作品でした。


エロ★★
萌えた★★★★
切ない★★★★★
笑える★
買って良かった★★★★★