高校生の頃、たまたま図書室で出会った事で
大和に無理矢理犯されてしまった右介。
それから十数年、ヤクザの組長になった大和に監視され
闇医者をやりながら愛人としても弄ばれて
「自分に意思があると思うなよ」と束縛されていきます。

この2人の関係性がけっこう謎で、
大和は右介に対して、相当執着してると思いきや
敵対している組のヤクザの情夫として差し出すなど
大和のやる事がけっこうメチャクチャなんですね。
そうやっていちいち翻弄される右介が
まさに「人生を奪われた」という感じで
可哀想だった･･･
何も悪いことしてないのにね。

でも、次第に大和の弱さに気付いていき、
大和の目的を悟り始めた右介が
一緒に汚れていくことを選ぶ心理描写が凄いですねー
最初は全然してくれなかったキスが
大きな意味を持っている所も良かったです。


大和は、父親の死を通じて
最後まで側にいて、自分の死を見送らせる存在が
羨ましかったんだろうな･･･
ずいぶん傍若無人に振舞って、
右介の人生を奪ってしまったけど
いつか組を抜けて、2人で一緒に暮らすには
こうする他無かったんだろうなと思うと
すごく壮大な大恋愛だなーと思いました。

大和のお嫁さんと
静かに火花散らす所も読んでてゾクゾクしましたし
所詮、女には入り込めない
2人だけの世界みたいなものがありました。

ラブラブハッピー♥っていうタイプのBLじゃないので
読む人は選ぶと思います。
私もあまり好きなタイプの作品ではないけど
後からじわじわ萌えてくるようなストーリーです。
バラ色って何色だろう？なんて言ってたけど
こんなに色々壮絶な人生を送った中で
最後は「幸せだ」と言い切れるなんて凄い。
こういう幸せもあるんですね･･･深いお話でした。


エロ★★
萌えた★★
切ない★★★★
笑える★
買って良かった★★★