笑うな 調子に乗るな こっちを見るな
期待するな 卑屈になるな 追従するな
主張するな 名前を呼ぶな 何もするな 涼一
<あらすじ>
いとこ同士で幼なじみの逸成と涼一。社長御曹司で俺様な逸成と、彼に従うばかりの陰気な涼一との間には、いびつな主従関係ができあがっていた。心酔する逸成からの征服を受け入れ、喜んで体を差し出してきた10代の涼一。しかし数年後、同じ会社に入った2人の関係は少しずつ変わりはじめて――?
「
アラウンド」と同時発売された本です。
こちらは「アラウンド」とも「
ふしぎなともだち」とも
全く毛色の違ったお話で
かなーーり暗くて重い雰囲気の一冊になっています。
一応エロもあるんですけど
ラブエロって感じじゃなくて支配とか執着とか
ドロドロしたやつです・・・好き嫌い分かれるかも。
主役の2人が所々ニヤッと笑う所とか
ギロッと睨む所とか、ちょっと怖くてホラーかと思ったw
赤ちゃんの頃からずっと隣にいて
学生時代も社会人になってからも一緒にいる
幼なじみの従兄弟同士のお話。
出来損ないで浮いていた涼一を世話しているうちに
イラついて支配下に置くようになった逸成くんの
不思議な関係性を描いている作品です。
む・・・難しいですね・・・(;・∀・)
言いたいことはなんとなく分かるし
愛だけでも執着だけでもない、一言で言い表せない
2人の関係性は確かに萌える所もあるんだけど
私もっと簡単なお話が好きだから・・・
ラブラブハッピー♥が好きだから・・・
苛々するけど側に置きたい
突き放したいけど独り立ちされると苛立つという
複雑な心中が淡々と描かれています。
印象的だったのは、攻が
「何もかも捨ててそばにいろ」って言うんだけど
「そんなことはできない」って受が拒否する所ですね。
もちろん社会人として自立しなくてはいけなくて
それに気づいて微妙に2人の関係性が変わっていき
二人ともちょっと吹っ切れた感じのラストになっています。
読み終わってみると、この「因果の魚」っていう
タイトルもすごく深くて素敵。
魚はこの広い海の中の、この場所を選んで泳いでいるって
今の自分たちの境遇と重ねているんですね。
2人の間にあるのは、明確な恋じゃないかもしれないし
別の出会い方があれば別の関係になっていたかもしれないけど
2人はこうなることを望んでここにいるんだなって
最後はなんとなくですけど明るく爽やかな雰囲気。
面白かったかどうかと聞かれると・・・
「ふしぎなともだち」は「面白かった!」と言えるけど
「アラウンド」と「因果の魚」は
正直そこまでじゃなかった・・・
でも、所々すごく好きな描写があって
やっぱり煮干し子先生好きだなーって思えるので
次は明るそうな作品だったら買おうかな!っていう感じです。