あなたの膝の上で 骨ばった大きな手で
撫でられる黒猫が羨ましくて仕方ないのは よくないことでしょうか・・・?
<あらすじ>
「先生、あの小説を書きましたか?」
ある日、偶然手に取った小説「黒猫の庭」。そこには、自分と思しき主人公と男やもめのいかがわしき情交が赤裸々に綴られていた。助教授・英にそのことを訊ねたのをきっかけに、激しい情事が徐々に現実のものとなっていく…!話題の気鋭が放つ純潔と官能が交差する短編集。描き下ろしあり。
遥々アルク改めARUKU先生の最新刊。
前回読んだ「
猿喰山疑獄事件」が色んな意味で衝撃だったのですが
今度は短編集という事で、再チャレンジしてみました。
やはり作風がとても独特で全体的にジメっとしてますねー
すごく好き嫌い分かれそう。
■黒猫亭雑記帳
猫を捨てようとした男が小説家の先生と出会うお話。
自分をモデルに官能小説を書かれている事に気付いてから
本当にヤラれてしまうまで話が唐突すぎる気がした・・・
いつの間に好きになったん??
短編だから仕方ないかもしれないけど。
猫に嫉妬するシーンとかの雰囲気がすごく好きです。
■台風13号
いじめっ子×いじめられっ子。
2人が古井戸に一緒に落ちて、
その中でHな事をする話なんですけど
その後も2人の関係が変わる事はなく
心がザワつくけどまた日常に戻るだけという、
余韻の残る終わり方がとっても印象的。萌えた。
■琥珀の月
男からストーキングされる男のお話。
途中まで、すっごく怖い話で
コレどっちかが死なないと解決しないんじゃ・・・と思ったら
最後は普通にHして終わってた。
えっ、それでいいの?ストーカーだよ?男だよ?
しかも描き下ろしの後日談では
超ほのぼのストーリーになってるのがちょっと理解不能だった。
えっ、本当にそれでいいの?ストーカーだよ?男だよ?www
■SNOW BLIND
高校生の頃にスキだった友達と10年ぶりに再会するお話。
レイプとか刺されたりとかすっごい重いお話ですね。
こんなに後味悪いBL久しぶり・・・
■僕はあなたの夜になりたい
夜盲症の男のために
夜な夜な本を読んであげるというお話。
恋が始まる前にお話が終わっているんですけど
ここから先の方を読みたいのよ私は。
この設定で1冊まるごと描いてくれたら買います。
全体を通して、わりと面白かったんですけど
いまいち、動きのあるシーンがうまく表現できていない気がして
紙芝居を見ている気分になるんですよね・・・
(押し倒すシーンとか、いきなりすぎてびっくりした)
その辺が気にならなければもっと好きになれそう。
あとこの本、
各作品の後日談がランダムに収録されていて
どれがどの作品の続きなのか、かなり分かりづらかったです。
(珍しくて面白い手法かもしれないけど、私は分かりやすい方が好きです)
普通の作品は見飽た、BL上級者さんには
オススメの作品だと思います。
エロ
★★★★
萌えた
★★★
切ない
★★★★
笑える
★★
買って良かった
★★★
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