いちど好きになったものをキライになってしまったら
二度と戻れない
キライにならないで ――スキでいさせて。
<あらすじ>
貴和子は、ある日ベランダでタバコを吸う男に出会った。 男は隣室に住む52歳の気だるげな大学教授、縫原。 バレエダンサーの道を諦め、バレエ講師として日々を過ごす貴和子に、彼は誠実な言葉で語りかける。 今まで恋愛を避けてきた貴和子の心に火がともり…BL界の人気作家が描く、28歳・処女の真摯でピュアなラブストーリー! 作家・三浦しをん推薦。 描き下ろし後日談も収録♪
なんだかんだ言って買ってしまいました
ヤマシタ先生の非BL本。
BLじゃないので定期更新外でのレビューで失礼しますw
BLじゃなくてもヤマシタ節は健在というか
あまり変わり映えしないというか・・・w
恐らく読者層も半分以上BLからのファンだと思うのですが
今までの作品が好きな方なら
普通に楽しめる作品だと思います。
結論から言えば面白かった。
28歳処女と52歳大学教授の歳の差恋愛。
この歳で初めての恋をする女と
もうすっかり恋の事なんて忘れてしまったオジサンの
ゆっくりゆっくり歩み寄ったり、戸惑って離れたりするような
じれったさが何とも言えないです。
何を隠そう、私は主人公と同じ歳ですし
ひと回り以上年の離れた男と付き合っている最中でもあります。
あんまり自分語りをしたい訳ではないんですが・・・w
(さすがに52歳はすごいなーと思うけども)
何と言うか、こういう歳の差ものって
読むの正直微妙だったりします。
ヤマシタ先生もあとがきで
「現実に若い女と付き合う男は精神的に未熟な男」と
語っていらっしゃいますが
・・・まぁ否定はしないけど
「すごい年上と付き合う女は
同年代の男から相手にされない程度の冴えない女」
という言葉と同義で
結局、歳の差カップルは世間から歓迎されないよなぁ・・・と
ものすごく落ち込むんですよね。
当の本人としては。
作者がそれを言ってしまうのはどうなん?
とちょっと思った。
「愛があれば歳の差なんて」
とはよく言われる言葉ですが
そんなん、他人事だから言っていられる事であって
実際はそう簡単ではないですからね。
友達に打ち明けた時に
「理解できない」なんて言われちゃったり
「世界が狭い」なんて言われちゃったり
つい言い訳したくなる所とか、共感しすぎて死にそうになった。
しかし、物語としては
二人の距離が段々近づくエピソードが
すごく良く出来ています。
余計な事を聞かないでくれる所。
苛立つ貴和子に「皆あなたのことが好きなんだ」と諭してくれる所。
貴和子がどれだけバレエを好きか分かってくれる所。
貴和子が縫原に自然に惹かれて行く様子が
よく分かるストーリーでした。
そしてやっぱり、ラブシーンの描写は
さすがBLで鍛えてきただけあって素敵です。
ベランダの仕切りを挟んだ隣同士で
手を繋いで、お互いが好きなものや嫌いなものを語り合い
会話が止まった瞬間の
足元だけが見えているキスシーン。
時間が静かに流れているような
とてもふんわりとしたラブシーンです。
そして物語の最後には、縫原さんが好きだと言っていた
本の紐しおりが。
(一瞬、コミックなのに本物の紐しおりが付いてるのかと思ったw)
この辺の演出のニクさったらない!
何だかんだ言って
すっかりヤマシタワールドに引き込まれてしまう
タカジョウでございました。
あと、付き合ってもいないのに
女を「おまえ」呼ばわりする男は
私も嫌いだわ。
エロ
★
萌えた
★★★
切ない
★★
笑える
★
買って良かった
★★★
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1. あるある~
つきあってないのに「おまえ」って呼ばれるのイヤですね。もっとイヤなのが、ファーストネーム+ちゃん付けで呼ばれる時。きらいな人だと鳥肌立ちます。(←隣の席の社員!)
>ゆいさま
好きな歌手とかアイドルとかの話題は顕著に。
>「おまえ」
結構多いんですよねー「おまえ」呼ばわり。
いったい何様なんだか!
付き合ってからなら全然OKなんですけどね。
>ファーストネーム+ちゃん付け
今、頭の中で想像してみました。鳥肌立ちました。しかも会社で隣の席だなんて・・・ご愁傷様ですw